
酒屋八兵衛 十五夜 純米酒〜中秋の名月と共に一晩の安らぎを
酒屋八兵衛は、江戸時代末期の1805年に創業した三重県にある元坂酒造が販売する代表銘柄です。「グラス一杯の驚きよりも一晩の安らぎ」をコンセプトに、飲み飽きせず料理とも相性の良いお酒を作っています。
八兵衛の特徴は、伝統的な山廃酛づくりによって米の優しい旨味とキレのいい酒質を目指しています。山廃のお酒は、酸度も高く昔ながらの濃醇な酒のイメージを持たれる方も多いかもしれません。しかしながら、酒屋八兵衛は、山廃酛の特徴を、「発酵力が強く死滅しにくい、『強い』酵母菌」ととらえ、「酵母が死滅しにくいという事はアミノ酸生成が少ない。つまり、味の軽さに繋がる」と考えています。
そんな八兵衛の味わいは、華やかな吟醸香は抑えながらも、飲みづらさは感じさせず、そっと料理に寄り添うような控えめでいて優しい個性を感じます。

大台町柳原の紀行風土と歴史を重んじる
元坂酒造のある三重県多気郡大台町柳原は紀伊半島の東側に位置し、町全体がユネスコエコパークに指定されています。年間降水量は平均3,063mmと全国有数の多雨地域という特徴があり、豊かな水資源を有しています。

また、蔵元の前を通る道は、世界遺産に指定されている熊野古道の沿道で、歴史的にはこの地域のお米は伊勢神宮に奉納される御神米だったという由緒があります。
100年以上の歴史を持つ元坂酒造は、「米からの日本酒造りをもって、この素晴らしい環境を次の100年へと繋いでいけるように」という理念を掲げ、地域の自然環境や歴史も当然に大切にされています。
中秋の名月を冠したひやおろし
酒屋八兵衛の「十五夜」は、秋に出荷される「ひやおろし」のお酒です。ひやおろしは、夏の間に蔵元で熟成を行い販売されるお酒を指し、一般的に角が取れて旨みが増し、まろやかな味わいが特徴と言われます。この「十五夜」は、まさに一晩の安らぎをコンセプトにする八兵衛らしさを楽しめる銘柄と言えるでしょう。
冷酒からぬる燗まで楽しめる「十五夜」の味わいは、秋の夜長を長く楽しませてくれるでしょう。ラベルには実りの秋を迎え黄金に色づいた田園風景が描かれており、秋の月を眺めながら蔵元のある大台町柳原の自然に思いを馳せつつゆっくりと味わいたいお酒です。
