
Written by BS Staff2024年10月7日
農口尚彦研究所の新ライン「観音下(かながそ)」2020ビンテージ
おすすめ日本酒 Article
酒造りの神様、農口尚彦
農口尚彦氏は、28歳という若さで杜氏となり、90歳を超えた今も現役で酒造りを行っている伝説的な杜氏です。酒造りの神様とも称される彼は、お酒を飲めない杜氏でもあります。しかし、そのことが逆に顧客の声を真摯に聞く姿勢を生み出し、酒造りの品質向上に繋がってきました。
農口尚彦の生き様や哲学を後世に残すために設立されたのが現在の「農口尚彦研究所」です。この酒蔵は、石川県小松市観音下(かながそ)町に位置しており、研究所が所在するこの地名を冠した新たなラインが「観音下」です。伝統と革新が交錯する農口尚彦研究所の新しい挑戦として、注目を集めています。

おだやかで豊かな旨味とバランスが整った余韻
「観音下」は、味わいは決して派手ではなく、大自然の恵みを受けた自然体な酒だと蔵元は語ります。その魅力は、旨味とキレの絶妙なバランスにあります。飲んだ後に心地よい余韻が残り、バランスの取れた味わいがゆっくりと広がります。
アルコール度数は20度と高めですが、瓶詰め後に約3年間貯蔵されることで、角が取れてまろやかになり、アルコールの強さをほとんど感じさせません。個人的には、15度程度の常温に近い温度で飲むのがおすすめで、アルコールのキレがより滑らかに感じられます。冷やすとキレが強調され、すっきりとした飲み口になりますが、どちらもそれぞれの楽しみ方ができるのが特徴です。
蔵元のサイトでは、冷酒から熱燗まで対応するとされていますので、自分の好みに合わせた温度で楽しむことができます。

スペック
- 原料米:五百万石100%
- Vintage:2020
- アルコール分:20度
- 醸造元:農口尚彦研究所
「観音下」は、五百万石という米を使用し、農口杜氏の技術と哲学が詰まった、20度という高めのアルコール度数を持つビンテージ酒です。自然の力を活かし、丁寧に貯蔵されたこの日本酒は、シンプルながらも深い味わいを備え、飲むたびに新しい発見を楽しめる一杯です。