
白州の名水から生まれた『七賢』の山梨銘醸を訪れる
白州の豊かな自然に囲まれた台ヶ原宿の銘醸
江戸時代に甲州街道の宿場として栄えた台ヶ原宿。銘酒『七賢』を醸す山梨銘醸は、そんな台ヶ原宿の旧甲州街道沿いにあります。日本の道百選にも選ばれる台ヶ原宿の旧甲州街道は、今でも古い民家や蔵が立ち並び、歴史情緒を感じさせる街並みです。
300年以上の歴史を持つ伝統と革新の酒造り
山梨銘醸の歴史は、寛延三年(1750年)に初代蔵元 中屋伊兵衛が台ヶ原の地で酒造業を営んだことから始まりました。明治十三年には、母屋の奥座敷が明治天皇が山梨に訪れた際のご宿泊所にあたる「行在所」としても使われました。その母屋奥座敷は文部科学省の史蹟に指定され、大切に保存されています。

このように歴史と由緒ある山梨銘醸ですが、酒造りは常に革新を求めた挑戦を続けています。1982年に、普通酒を廃止し、全製品を特定名称酒へ変更。2015年には5年の歳月をかけて開発した瓶内瓶内二次発行のスパークリング日本酒をリリース。近年では2021年にフランス料理界の巨匠アラン・デュカスと共同開発したスパークリング日本酒をリリースしています。
天保六年にさかのぼる「七賢」の由来
山梨銘醸が製造する日本酒の銘柄「七賢」(しちけん)ですが、その命名の由来は天保六年(1835年)までさかのぼります。五代目蔵元の時代、母屋を新築した際に高遠城主からお祝いとして「竹林の七賢人」を彫った欄間が贈られたことに由来します。竹林の七賢人は、3世紀の中国三国時代末期の思想家7人の総称で、酒蔵内の店舗では、七賢人の名を冠した7種類の蔵元限定生酒シリーズが購入できます。
尾城川渓谷で白州の水を感じる
七賢は、「地元白州の水を体現できる酒」をコンセプトに掲げているほど、地元白州の水を大切に考え、酒造りを行っています。そんな白州の水を感じられる観光スポット「尾白川渓谷」が酒蔵から車で15分ほどの距離にあり、酒蔵とともに訪れることをおすすめします。

尾白川渓谷は、南アルプス・甲斐駒ヶ岳を源とする清流で、サントリー南アルプスの天然水のふるさとでもあります。尾白川渓谷の全体は、大変険しい登山道で、本格的な装備と準備が求められ注意が必要ですが、駐車場から15分ほどの千ヶ淵までは子供とも楽しめるコースになっています。エメラルドグリーンの淵とその奥には3段に落ちる神蛇滝が見られ、美しい白州の水を体感することができます。
日本酒の枠を超えた「七賢」ブランド
山梨銘醸が製造する日本酒は、すべて「七賢」ブランドとして販売されていますが、そのバリエーションは豊富です。精米歩合27%まで磨かれた純米大吟醸の「白心」や「大中屋」、甲斐駒ケ岳の名を冠した「甲斐駒」をはじめ、季節限定酒や蔵元限定生酒の「七賢人」シリーズの日本酒を展開します。
さらには、多様なスパークリング日本酒や本格焼酎も製造しています。例えば、大吟醸古酒を仕込み水の一部に使用したスパークリング日本酒「SHICHIKEN SPARKLING SAKE EXPRESSION2006」、アラン・デュカスとのコラボレーションで、酒粕を使った焼酎「アラン・デュカス・サステナブル・スピリッツ」と従来の日本酒の枠を超えた食と酒の提案を行っています。
また、酒だけでなく、化粧品「COJIE」の製造販売も行われています。日本酒の糀には、美肌の効果があると言われますが、酒造りの際に生まれる米糀の天然成分である「糀糖」を生かしたスキンケア商品です。
このような多様な商品を展開する山梨銘醸の蔵元内のショップに行けば、普段手に入らないアイテムに出会えるでしょう。
山梨銘醸株式会社
創業:寛延3年(1750年)
所在地:山梨県北杜市白州町台ヶ原2283
TEL:0551-35-2236